レポ22 選択範囲操作を利用した小技

3DLTで描かれた線の密度を下げる。
漏れないバケツ塗りつぶし

選択範囲の拡張/縮小をパズルの様に組み合わせてできる小技を紹介します。
どちらも次期コミスタで装備されそうですけど、他のツールでも応用できますし・・・(弱気)

3DLTで描かれた線の密度を下げる

EXに搭載されている3DLTは便利そうですが、実際に使ってみると色々と問題も見られます。
3DLTに限った事では無いですが、輪郭抽出アルゴリズムがポリゴンの輪郭全てを律儀に拾い出して2D画像をレンダリングすると、奥行きで遠距離にある物体を構成するポリゴンの見かけ上の密度が上がって線がごちゃごちゃしたり、真っ黒になってしまうことも有ります。手書きの絵では、そのような部分は線を減らして簡略化して描くものです。
高機能な3Dソフトやプラグインデベロッパーの活動が盛んなソフトでは、カートゥーンレンダリング時に人間の視覚や認識方法に近づけようと様々な試みがなされていますが、コミスタの3DLTでは望むべくも有りません。
で、手作業で線を消したり減らしたりするのですが、せっかく3Dを使えば背景描画作業が楽になるかと思ってたのに、余分な手間が増えてしまって逆ギレしたり。


3DLTを使ってこーゆー絵を書いてみましたが、外周のリングを支えてる3本のトラス構造柱部分は(トラスの支柱一本単位が四角柱なので)ポリゴン数(抽出される輪郭の数)が半端じゃなく高密度なので真っ黒になってしまってます。
トラス萌えの人間的には、トラスが自動で描かれるとたまらん物があるのですが、背景が黒っぽいと輪郭に白線枠でも引かないと見えなくなってしまいますよ。
かと言って、モデリングの段階まで戻ってポリゴンを減らすのはめんどくさいし、支柱のみっしりした感じが好きなので減らしたくも無いですし・・・





3Dグループレイヤを解除して、「カレントカラー領域を選択」で主線を選択し、「選択範囲の拡張 +0.1mm」しておく。
さらに「選択範囲の縮小 -0.2mm」をかます。
すると、選択範囲が1本線の所は無くなり、線の密度が高い所だけが残る。
新規レイヤを作成し、先ほどの選択範囲をホワイトで塗りつぶすとこんな風になります。(参考画像は説明用に逆に黒で塗ってますが)



元の線画の上に重ねると、トラス柱の線が簡略化され、外輪郭を残して白抜きされた状態になりますが、トラス構造っぽくは見えてます。
拡張と縮小の大きさを変えると、減数される効果も変わって来ます。大きめにすると、大胆な(笑)線の省き方をやってくれて面白いですよ。
仕上げにレイヤ結合。さすがに細部は手作業での修正が必要になりますが。



漏れない塗りつぶし

フォトショッププラグインのデジコミツールでは「線つなぎツール」が提供されたり、マクロメディアのFLASHは塗りつぶし範囲に隙間が有っても、自動的に「洪水」が起こらないように処理されたりと、そんな機能が出てくるほどに、16色でCGを描いていた頃から「塗りつぶし」と「洪水」の対策には手間をかけさせられていました。ドット修正とか(遠い目)

600dpiの1ドット(印刷で0.1mm以下)の隙間があっても、律儀に洪水を起してくれるコミスタにも、是非線つなぎツールは搭載して欲しい物ですが、絵の質感的に「あえて閉じた範囲にはしたくない」場合も有ります。
コミスタのベクターペンレイヤ上で、細線化を使いまくって線を細くしすぎると、「ベクターツールなのに断線や隙間が出来る」なんて現象も起こります。意図する絵を描く為には、細くしすぎない事を避けるよりも、隙間が有る位で丁度良い場合だって有りますし。

この絵で煙にトーンを貼ろうと思うのですが・・・


煙っぽさを表現しようとヘロヘロした線で描いたのですが、最大まで拡大してやっと判るような隙間がありますので、自動選択ツール使うと確実に漏れます。
かといって、全部手作業でドット修正するのも辛い。
だからって、煙の輪郭をはみ出すような大雑把なトーンは貼りたくないですし。うーむ。


以下、選択範囲の拡大縮小を使って、煙の輪郭に近似した「閉じた範囲」を作り出す工程です。

「カレントカラーを選択」を使って、主線を選択。
「選択範囲の拡大」で+0.2mm
元の線が断線していても、選択範囲の繋がりは連続しています。



新規ラスターレイヤを作成。
「選択範囲の反転」を行い、新しいレイヤに煙の部分だけを塗りつぶします。



このままでは塗りつぶした外周に白く縁取りが出来てしまっていますので、さらにもう一手間かけます。


塗りつぶした煙の範囲を自動選択ツールで選択し、「選択範囲の拡大(+0.2mm)」を行います。
ここで塗りつぶした煙のレイヤは用済みなので廃棄。


主線自体には手を加えずに、だいたい元の線に近い選択範囲が手に入りました。
滑らかな弧を描いた曲線は殆ど元の線と同じ軌跡を描いていますが、この方法だと鋭角にとんがった所は苦手なのです。


トーンを貼ると、多少の誤差は判りませんっつーことで妥協(汗)
ドットネットにこの作品をアプした時はこの方法を思いつかなかったので、トーンレイヤ上で外周全部を細かくペンでなぞっていたので、えらい苦労しましたよ。




トーンをグレースケールで書き出して、ペイントツールでグレースケールトーン化したり。(レポ12を参照)


書き出したグレー画像を元に、照度変更ペンで濃淡をつけただけです。



jpgで保存して、コミスタの背景トーンにして貼り込みました。




これらの方法は選択範囲の拡大縮小が出来るコミックワークスでも出来ますね。

END